手巻きのメリット・デメリット
手巻き式は自分でゼンマイの巻き上げ作業を行う必要がある

機械式時計には大きく分けて手巻き式と自動巻き式と呼ばれる2種類のタイプがあります。手巻き式は1日に1回くらいの頻度で、ケース横に収納されているリュウズを使ってゼンマイの巻き上げ作業を行うと、時計が動き続けます。手首に装着するだけでゼンマイが巻き上がる自動巻き式と比較すると、メンテナンスが大変と言えるのがデメリットでしょう。加えて、巻き上げ作業は時計回りに針を動かしたら、逆回転に動かすのを繰り返すなど、機械式時計の知識が浅い初心者にはコツがいるのも難点です。機械式時計は運針を長期間止めてしまうとコンディションが悪くなり、故障につながるケースもある繊細なアイテムですから、こまめな手入れが苦手な人に手巻き式は不向きかもしれません。
時計のロマンやステータス性と言う大きな魅力がメリット
動力を得るには日々ゼンマイを巻き上げなければならない手巻き式ですが、一方で、ゼンマイの巻き上げ作業こそが時計に対する愛着が沸くメンテナンスだと言うファンが世界中に多くいます。なぜなら、巻き上げ作業はオーナー自身が内部機構のムーブメントに直接干渉できるメンテナンスだからです。わざわざ腕時計を持つ必要がない時代に機械式時計を所有するのは、機械式時計メーカーがさまざまな出来事と共にムーブメントを進化させてきた歴史に想いをはせ、ロマンを感じることにひとつの魅力があるためでしょう。その魅力を感じるためには、高額な価格で手巻き式時計を購入する必要がありますが、手巻き式のメンテナンスを楽しむ時間や財力に余裕がある高いステータス性の象徴にもなるのです。